最近いろいろな名前の付いたレジが登場していませんか？POSレジ、タブレットレジ、クラウドレジなどなど、レジについて調べていたら出てきますよね。何が違うの？と迷われた方も多いと思います。
大丈夫、くくりは全部同じ。POSレジです。呼び方が分かれているのは機能の注目ポイントが違うため。詳しく見ていきましょう。
POSレジとは
POSレジのPOSは「Point of Sale」の略称で日本語に略すと「販売時点情報管理」となります。
商品の売買情報を集め、売り上げ情報や購買層などの情報を自動で収集し、分析、販売戦略に役立てる仕組みのことをPOSシステムといいます。単なるお金を計算するレジではなく、このPOSシステムが備わっているレジのことをPOSレジと呼びます。
日本で最初に導入したのはセブンイレブンといわれています。じつは歴史のあるシステムです。
POSレジで出来ること
POSレジはレジを起点にデータの収集、処理（整理）を行います。
購買情報をグラフ化し、ひとめで売れ筋の商品を確認したり、売り上げが上がっているのか、下がっているのかの確認も簡単に行えるほか、さまざまな外部システムと連携も可能です。
例えば、飲食店向けのオーダーシステムと連携することでお会計をスムーズにしたり、キャッシュレス決済システムと連携しより売り上げの清算をより簡単にしたりできます。
とても便利な機能なので、POSシステムが登場したばかりのころはシステムが非常に高額で、機械自体が大きく、大企業の特権でした。近年はテクノロジーの進化で費用の低価格化・機械の小型化が進み、導入ハードルがぐぐぐーーーーんと下がりました。ランニングコスト0円でPOSレジの導入が始められるようになっています。
社会の発展、テクノロジーの発展ってすごいですよね。それにより個人店にまで導入が進んでいます。
いま普及が進んでいるレジは基本的にPOSレジです。POSレジでないレジは見かけることが減りました。ネットにつながず、昔駄菓子屋さんなどで使われていたような昔ながらのレジもまだ生きています。レジスターと呼ばれ、カシオや東芝などが販売しています。Amazonなどの通販サイトで購入できます。しかし、機能も少ないので、新規導入は減り勝ち、いずれ町から姿を消すでしょう。
クラウドレジとは
クラウドレジは簡単に言ってしまえばPOSレジのこと。POSシステムはインターネット上にデータを保存するクラウド空間を作り、この空間でデータの収集や分析を行っています。なので、集めたデータはクラウド空間に保存されています。だからクラウドレジと呼ばれることがあります。なんだか複雑ですね。なので、細かいことは気にせず、POSレジ＝クラウドレジの認識で大丈夫です。
さて、このクラウド空間を管理しているのはPOSシステムを提供しているPOSレジ会社です。基本的には集めた顧客情報や売り上げ情報はお店のものですが、無料でシステムを提供する代わりにこの情報をプライバシーに配慮した形で使用している会社もあります。
データを共有したくない、インターネット空間に上げたくない、という場合は、自社サーバーなどの立ち上げか、インターネットと連携しないレジスターを購入することになります。自社サーバーの立ち上げはものすごくお金がかかります。日本の最大手と呼ばれる会社だけがこのような運用をしています。
タブレットレジとは？
タブレットレジappleやGoogleなどが出している既存のタブレット端末にPOSシステムを搭載したアプリをインストールして、レジとして使用するPOSレジのことを指します。POSレジが安価なのはこうして、既存の端末に相乗りしているから。アプリをタブレットにインストールするだけでレジ機能が使用できます。
このインストールしたアプリ（POSシステム）を介して、クラウド空間にある本体のPOSシステムと連携します。分析などはこの本体で行っています。タブレットにインストールしたアプリはレジ機能だけでなく、データを集めるツールという位置づけです。
上記のクラウドレジで説明したクラウド空間に、タブレットレジのアプリ（POSシステム）もつながっており、つまりPOSレジ＝クラウドレジ＝タブレットレジということになります。
難しく考えず、全部同じでいいといった理由がなんとなくでも伝わればうれしいです。
据え置きタイプもPOSレジ
大手チェーン店やスーパーに行くと、大きなレジがドーンとおいてありますよね。これもPOSレジです。
値段の管理を本社で一括で行ったり、コンビニなどではネットで注文されたものとの照会、払込書の管理などなど、さまざまなことをレジ1つで行っています。ここまで行くと自社用に様々なカスタマイズを行っていて、システム構築もある程度は自社で行っています。
こういったレジを導入したい場合は古くからレジの販売を行っているNECやBUSICOMに相談しましょう。
業態ごとのおすすめのレジ機能
POSレジの魅力は分析できるだけでなく、お店の経営に合わせてカスタマイズできるところです。また、多種多様な会社がPOSレジ事業に進出しているので、初めて導入する場合はどれを導入すればいいか、迷いがちです。少しでも選ぶ時の参考になればうれしいです。
飲食店向けレジ
飲食店に欲しい機能の上位にあるのは
- オーダー用のハンディ端末
- キッチン用の注文確認機能
- QRコードを利用したオーダーシステム
- キャッシュレス決済連携
- インボイスへの対応
だと思います。
インボイス対応とキャッシュレス決済連携への対応をしていないレジはまずありません。記載がなくてもまず対応しているので安心してください。
飲食店向けを展開しているPOSレジなら、ハンディ端末、キッチン用の注文確認機能もほぼほぼ対応していると思いますが、最近普及し始めたQRコードを利用したオーダーシステムは対応しているところと対応していないところがあるので注意が必要です。
上記すべて対応済みで、有名どころはAirレジ、スマレジ、Uレジ、ユビレジ、POS＋などです。
特にAirレジとスマレジは基本のレジ機能が無料で使用できるので、これから開業する人に人気です。とはいえ、上記機能は無料で導入できないものもあります。規模によりますが2万弱はかかってしまいます。その分人件費は浮くので、費用と相談しながら、恐れず導入していくのがおすすめです。
小売店向けレジ
小売店（アパレル・雑貨店など）でほしい機能で上位にあるのは
- 在庫管理
- ECサイト管理・運用
- 複数店舗間連携
- インボイスへの対応
- キャッシュレス決済連携
が上げられます。
キャッシュレス決済連携とインボイスはどのレジでも大丈夫、在庫管理もまあ大丈夫です。ですが、複数店舗連携とECサイト連携できるレジはじつはものすごく限定的です。
機能面がちょっと複雑なんですね。なので、大手ECサイトでショップを運用している、複数店舗間を連携させたい場合はスマレジとパワクラを選択します。
どちらも在庫管理を専門に取り扱う外部システムと連携できます。
複数店舗連携や大手ECサイトとの連携を考えていない、自社用のECサイトがあれば十分という方は基本利用料が無料のSquareがおすすめです。機器デザインもおしゃれで人気です。
小売店（スーパーなど）据え置き型がいい場合でほしい機能は
- 自動釣銭機
- タッチパネル式セルフレジ
- 頑丈な機材
- インボイスへの対応
- キャッシュレス決済
が上げられます。
スーパーなどはお客さん数も多いので受け渡しミスが起きがちなので、自動釣銭機が人気です。一台当たりのコストは高くなってしまいますが、会計スピードも上がるので、導入がオススメです。
また、いろいろな人が出入りする場所なので、防犯面を考慮して頑丈な機体がいいですよね。自社用のカスタムも行ってくれるNECやBUSICOMがおすすめです。松屋のようなタッチパネル式の券売機、ローソンのようなタッチパネル式セルフレジにも対応しています。
美容室・サロン向けのレジ
美容室やサロンでほしい機能は
- ホットペッパービューティーとの連携
- 予約台帳機能
- お客さんの施術記載する電子カルテ
- キャッシュレス決済
- インボイス対応
などが人気の機能です
美容室やサロンはちょっと特殊で、ホットペッパービューティーを使っているかどうか、ホットペッパービューティーと連携したいかどうかでレジの選択肢が変わってきます。
ホットペッパービューティーを使用している場合、SalonBOARDという予約管理システムや電子カルテ、POSレジ機能が付いたシステムが無料で使用できます。もちろんホットペッパービューティーと完全連携。
なので、個人店ではSalonBOARDの機能で充分だったりします。
しかし、複数店舗を運営している、もっとしっかりと売り上げを管理したいと望むなら別のレジを選択します。また、SalonBOARDはキャッシュレス決済などの外部機能との連携は連携できないので、連携を望むならPOSレジを導入することになります。
医療機関向けのレジ
医療機関向けのレジもPOSレジに変わってきています。
- レセコンとの連携
- 電子カルテとの連携
- 自動釣銭機やセミセルフレジ
- 在庫管理（薬の個数など）
- キャッシュレス決済
などが欲しがられます。
医療のお会計は特に複雑です。保険証の種類（年齢など）で、同じ施術でも費用が変わります。そのため、レセコンなどの計算システムとの連携は必須です。
電子カルテと紐づけることで、お会計の支払い状況なども一目で確認できるようになるので、その場で支払いができなかったお客さんの情報などを記録し、支払いの相談、補助金制度や支援団体への相談などに役立てることが出来ます。
医療向けのレジはカスタマイズ性が高く、連携しなければならないものも多いので、どうしても有料です。ランニングコスト月額１万円ほどは最低でも必要になってきます。また、自動釣銭機を導入するかどうかで初期費用の金額が大きく変わります。
自動釣銭機の導入は機械の購入費が100万円ほどかかるので、いまの経営に余裕があるかどうか確認しましょう。スマレジはレンタルにも対応しています。
医療機関に対応しているレジはスマレジ、ユビレジ、POSCO、BUSICOMなどです。導入には相談が必須なので、気になるところに確認しましょう。
いまのPOSレジ事情
最後に、いまはPOSレジの普及がものすごく進んでいます。かつてのPOSレジはシステムを1台ずつにシステムをインストールして、本部と連携して、1台1台にメンテナンスが必要で、、、お世話しなければならないポイントがいくつもありました。だから簡単に導入できなかったし、アップデートもできませんでした。消費税率が3%⇒5％変わった時はその設定に追われました。
でも、いまは随時最新のシステムがPOSレジ会社から送られてきます。アップルやグーグルのソフトウェアと仕組みは同じで、システムの機能が更新されたらアップデートの通知が届き、アップルストアやグーグルストアからアップデートする。たったそれだけで、軽減税率の設定もインボイスの設定も完了しました。時代は変わったなぁ、としみじみ思います。なので、軽減税率の設定やインボイスの設定は有料です、、、と言われてしまったら、乗り換えましょう。いまはIT導入補助金もあり、導入コストが半分以下に抑えられます。
月額料金のみで、メンテナンスがしっかりと行われる、サポートがつく、しかも安価で使用できるので、どんなに小さなお店でもPOSレジが使用できます。気になったらぜひ試してみてください