業務スタイルが固まる前の起業直後にITを活用した業務スタイルを、という思いでオオサカンスペースを作りました。
オープン当時、オオサカンスペースが重視したポイントは3つです。
1:入居者間のシナジーを生み出せる番頭さんがいること
2:コラボが生まれるコミュニティであること
3:ビジネスの後押しをする専門家によるバックアップ体制
参考記事:大阪「本町」に本格的なコワーキングスペース「オオサカンスペース」を1月16日にオープンします! http://blog.ecstudio.jp/ec_studio_blog/120108osakan-space.html
ChatWork社が15億円を調達し、上場に向けて動きはじめるタイミングでMBOにより株式を100%譲り受けオオサカンスペースの運営会社は株式会社 Kaeruとして生まれ変わりました。
Kaeruは、「『やりたい』をできるに『変える』」という思いを込めてつけました。
オオサカンは常時利用する会員(メンバー)は120人、日々10人〜20人の会員とビジターが訪れます。
オオサカンスペースとして、大事にしていることはコワーキングの「コ」の部分です。「コ」にはコミュニティ、コラボレーション、コミュニケーションなどいろんな意味が含まれていますが、特に仕事で協力できる関係作りを重要視しています。
普段は自分の仕事に集中しているのですが、交流やイベントを通じてお互いのスキルの理解を深め、共同で仕事をしやすい環境をつくりだしています。仕事を一緒に受託したり、会員が会員に仕事を依頼したりといったことが日常的に起こり、会員同士の仕事協業率は60%を超えています。
オオサカンスペース内だけに限らず大崎が関わるコミュニティ(世界40都市で開催される「IT飲み会」、世界100都市で経済ニュースを発信している「みんなの経済新聞ネットワーク」、関西広報グループなど)とも関係が深く、月に数回は「○○出来る人知らないですか?」という問い合わせが入る状況です。 また、年に2〜3回は会員と海外や国内に赴き、現地の企業やコワーキングスペースと交流する取り組みも行っています。
オオサカンの中から新サービスが生まれたりもします
「akippa」 https://www.akippa.com/
駐車場のシェアリングサービスakippa株式会社の代表取締役 金谷元気さんはオオサカンスペースのオープン当初からいる初期メンバー(会員番号24番)です。
経営について考える時間や情報交換するために利用しはじめましたが、新しいアイデアを思いついたときに社内リソースが足りなかったのことをきっかけにオオサカンスペースのメンバーと新しいサービスを作り始めました。
社内ででたアイデアをエンジニア矢野勇さん(会員番号38番)に依頼し、あきっぱが誕生しました。
また、金谷社長は自身で広報ができる方ですが、自分でできることを人に教えるのは難しいです。そこで、自社の新入社員である広報担当の森村優香さん(会員番号197番)を登録し、スタッフの教育にも活用しました。交流しながら広報経験者に仕事の進め方を相談したり、コツを聞いたり、ときには会員相互でプレスリリースを添削したりしていました。教えられたことをとにかくやる行動力と努力が実り、2016年には年間243回のメディア露出がありました。
オオサカンスペースをフル活用した事例のひとつです。
MyISBN https://myisbn.jp/
ある利用者が、「本を出したいけどISBNを取るのに自宅の住所公開したくない」と発言したことがきっかけになり、ブレストがはじまりサービスの企画がはじまりました。
約半年の開発期間を経て誕生しました。サービス開始から4年目に入り着実に成長していて、2017年2月に出版数が1,000冊に到達しました。デザイナーと共同でMyISBNで出版される本のカバーを作るサービス「MyCover」も好調です。
オオサカンを利用しているスタートアップ(ベンチャー)の一例
橋本祥一(釣果ノート ・ YEBIS.XYZ社)*釣り愛好家向けアプリ
東條恭考(お届けリストランテ ・ 2JOY社)*シェフの出張サービス
東峯一真(クルマフリマ ・ GENZOU社)*中古車個人間売買プラットフォーム
収入が倍以上になった人も多いんですよ
協力しあうことで、売上が伸びた、年収が倍になったという人も実は多いのです。「初年度黒字だったよ」「売上が右肩上がりだ」という会話を聞くことも珍しくありません。
何年も同じ場所を利用しながら、同じコミュニティで仕事をしているということは、仕事の納期やクオリティが安定しているということでもあるので依頼する側にとって安心なのです。
わたしが別に運営する「IT飲み会(世界36都市で開催されるIT業界の交流会)」や広報コミュニティ、地域とのつながりなど周り方から平均月に2〜3回は「○○できる人知りませんか?」と問い合わせが入り、希望の方がいる場合には紹介しています。
初期メンバーであるカメラマンの久岡健一さん(会員番号29番)は、年収が倍以上になったひとのひとりです。 閑散期に、写真の撮り方を教える代わりに、エンジニアやデザイナーからサイト制作を学び、都度必要なアドバイスをもらい、自分の手で構築しました。サイトを作る方法だけではなく、集客まで相談しウェブからの注文が入るようになったことが要因のひとつです。
また、「ソーシャル写真撮影会(メイク付きで安価にプロカメラマンに写真を撮ってもらえるイベント)」を開催。自分の写真を撮ることを目的に参加した人が、どのくらいの価格でどのくらいのクオリティの写真を撮れるか肌で知り、勤務先の会社を紹介するようになりました。
就職が決まることだったあります
フランスから来ていたエンジニアやオーストラリアから来ていたアニメーターが大阪の企業に就職しました。外国人雇用できる会社は増えているのに、求人情報が見つけられないという課題が見えたので、オオサカンスペースのホームページ内に求人ページを作成しました。たった1ページなのにいろんな国からエンジニアの応募があると聞いています。
オオサカンを裏側で支えるメンターさんたち
法律・会計・広報・経営・海外進出・健康相談などテーマに分かれたメンターチャットがあり、疑問に感じたときにすぐにチャットワークで相談できるようなっています。 メンターチャットの中で発言の多い「会計チャット」は、中央会計が担当。「顧問契約してくれた会社の倒産率を0%にする」という目標があり、税務・会計の枠を超えてコラボレーションや売上アップもフォローしたいという思いから支援いただいています。
新会員がなじみやすい場を作るための工夫はいっぱい
専用のチェックインシステム
オオサカンスペースの会員になると、専用のチェックインシステムがあります。チェックインするとその場にいる人だけが見れる画面に自己紹介が表示されます。「前回名刺交換したけどあの人誰だっけ?」「どんなことしてたっけ?」というありがちな問題を防いで交流のきっかけを作ります。チェックインしている人を外から見ることはできません、その場にいる人が自分の目で見ている誰がいるかという情報をその場で見れる画面にのみ表示させています。
ランチ&おみそ汁の日
ランチに行く余裕がある日は誘い合わせる習慣があります。飲食店がすいている13時ごろにオオサカンスペースにいると「ランチに行く人」と声がかかります。また、外食派とお弁当派の交流という意味もあり毎週1回「おみそ汁の日」をつくりその日は「おみそ汁を提供するので中で食べよう」と啓蒙しています。
持ち寄り部
食事は人によって価値観が違います。金額、好み、アレルギーなどいろんなことがあります。そこでメンバーの交流会は自分が食べる予定の晩ご飯を持ち寄って一緒に食べるなら誰でも参加できると「持ち寄り部」を企画。お総菜や手作りの食べもの、または金1,000円を持ち寄って集まります。ベジタリアンやビーガンの人がいるとわかったり、仕事終わりが遅い人も遅刻を気にせず参加できたりと開催しなければ気づかなかったことも見えてきました。月に1回必ず開催する定例イベントになりました。最近は、新会員へ歓迎の意を表するために初回参加の方を招待する制度をつくりました。
乾杯の日
「新サービスのリリース」「納品が終わった」などちょっとしたいいことがあったときはみんなで「乾杯する文化」を作りたいと思い、ワインセラーを設置(会員からの寄贈)しました。「あ!それ乾杯しよう!」と言い出すことが増えて、オオサカンスペースからスパークリングワインを振る舞うこともあります。
これから会議
これから半年の動きや目標をメンバー同士で共有する会議を半年に1回開催しています。がんばる目標ももちろん発表しますが、例えば「今年は育児に専念するから手離れのいいバナー仕事があれば教えて欲しい」「デザイナーだけど、マーケティングに力を入れていく予定」などとこれから半年の動きを共有することで目に見えて協業が増えました。
会員以外の方が来やすい環境作りもがんばってます
コワーキングスペースに行く敷居を下げるため、会員以外が参加しやすいイベントを企画するようにしています。 「広報勉強会」「法律勉強会」「UX,UI勉強会」は誰でも無料で参加でき、開催後にその場で交流会を行います。知りたいことを知れるのはもちろんですが、特に交流会ではイベントという共通の興味関心を持つオオサカンメンバーと気軽に交流ができます。
Kaeru社自身ののやりたいことも実現しています
atus(アフィリエイトスクール&コミュニティ)
例えば、会員さんが「ノートパソコンを使って好きなときに好きな場所で仕事がしたい」と発言したのをきっかけにアフィリエイトスクール「atus」を作りました。現在は250人以上の方にご参加いただいています。
海の見えるビジネス合宿所「尾崎の家」
ちょっと集中してチームで仕事を進めたいとき、納期間近、日常から離れて考えたい、そんな希望を叶えるために「尾崎の家」を作りました。 前述のMyISBNもここから生まれました。
シェアリビングルーム
事業が進んでくるとひとりで集中して考える時間が必要になったり、今晩夜通しチームで集中して作業したくなったりすることがあります。フリーランスで働いている女性はどうしても子供を預けられない日がありますが、子連れで打ち合わせできる場所はほとんどありません。こういったニーズを叶えるためにシェアリビングルームを作りました。 納期・締切間近のチーム作業、まだ人には言えないプロジェクトの共同作業、会社が終わってから活動するスタートアップチームの作業場、プレゼンテーションルームや少人数でのイベントスペースとしても活用できる設備にしています。
ヴェロスタ
オオサカンスペースのある本町は、大阪のビジネス街で駐輪場がほとんどありません。そこで、スポーツ自転車に特化した駐輪場を運営するヴェロスタ合同会社が誕生。コワーキングスペースだけではなくなにか自分もスタートアップがしたいと考えた結果です。 会員とはもちろん、他のコワーキングスペースや周辺コミュニティと協力してもっと多くのやりたいをできるに変えていきたいです。 これからも末永くご愛顧ください。
オオサカンにぜひお越しください。 お待ちしております。
株式会社 Kaeru 代表取締役 オオサカンスペース会員番号1番 大崎弘子